マテハン機器と聞くと、大掛かりな搬送装置や機材を思い浮かべる方が多いでしょう。
例えば「フォークリフト」や「ベルコトンベヤ」など便利で汎用性の高いマテハン機器が多いですが、負けず劣らず活躍するマテハン機器を忘れてはなりません。
そこでこちらでは、あまり一般的な知名度は高くないものの、利便性や汎用性の点で多くのマテハン機器に負けず劣らず活躍する「コンテナスロープ」について解説します。
コンテナスロープとは?
「コンテナスロープ」とは、簡単に言えば「さまざまな場所に設置できる組み立て式の坂道」のようなものです。
コンテナスロープを設置することにより、急な段差がある場所に疑似的な坂道を形成し、搬送体制を大幅に改善できる可能性があります。
コンテナスロープが活躍するシーン
コンテナスロープは、よく「フォークリフト」と組み合わせて運用されることが多いです。
よくあるシーン
例えば、地面と高低差のある倉庫から、トラックに荷物を上げ下ろしするシーンを思い浮かべてみてください。
まず、倉庫内で荷物をピックアップし、これを倉庫の搬出口に設置します。
次に、この荷物をフォークリフトに積み込みます。
フォークリフトでトラックまで移動し、トラックに荷物を降ろします。
降ろした荷物を、トラック内で所定の位置まで移動させて一連の上げ下ろしが完了します。
ここまでで4つの工程を必要とします。
コンテナスロープがある状況
さて、このシーンにおいて「倉庫の搬出口」と「トラックの荷台」の2か所にコンテナスロープを設置してみましょう。
倉庫内でフォークリフトで荷物をピックアップし、降ろすことなくそのままコンテナスロープを通って倉庫から出ます。
フォークリフトはそのまま移動してトラックまで到着し、トラック前のコンテナスロープを通って荷台に荷物を降ろします。
この手順により「倉庫内での荷物のやり取り」と「必要なフォークリフト台数」が削減できていることがわかります。
もちろん逆の工程も可能であり、トラックから降ろした荷物をフォークリフトに積み込んで、そのまま他のマテハン機器を経由することなく倉庫内に荷物を下ろすことが可能です。
コンテナスロープのメリット
コンテナスロープを運用することには、さまざまなメリットがあります。
物流の効率化を図れる
コンテナスロープを用いることにより、自社の物流の効率化を推進できます。
前述の通り、段差がある場所での物流は流れ作業の必要性があり、どうしても作業効率や人件費などの問題が重くのしかかります。
しかし、コンテナスロープを用いることにより同じ導線でも効率よく搬送作業をこなすことができるため、人件費を削減して効率よく搬送作業を進めることができます。
坂道を確保するコストが抑えられる
コンテナスロープを用いることにより、坂道を確保するための費用を抑えられます。
これはコンテナスロープの製品の種類によって異なりますが、倉庫前に坂道を作るよりもコストが抑えられる可能性があります。
坂道の場所を自由に設定できる
コンテナスロープを用いることにより、坂道の場所をある程度自由に設定できます。
組み立て式で坂道を作るため、設置場所を調整することである程度自由な場所に坂道を形成できます。
不要の際には解体して保管できる
コンテナスロープを用いることにより、坂道が不要な際には解体して別の場所で保管することも可能です。
基本的にコンテナスロープは組み立て式であり、使わない時には解体して倉庫などで保管しておくことが可能です。
そのため、坂道を敷設する場合だと邪魔だからと移動させることができないのに対して、必要なときだけ坂道を作ることができるコンテナスロープは使い勝手が良いと言えます。
物流の効率化を図るためには?
倉庫や工場など、大量の荷物を運ぶ必要がある現場において「物流の効率化」は重要課題の1つです。
適切なマテハン機器の導入が重要
物流効率化において「マテハン機器の導入」はシンプルかつ効果的な解決方法となり得ますが、重要なことは「適切な機器を選ぶ」ことです。
例えば「フォークリフトを導入する」としても、一口にフォークリフといっても種類があるので、どんなフォークリフトを現場に導入するかで得られる効果は大きく異なります。
力自慢の「カウンターバランスフォークリフト」に対して、小回りが利いて狭い場所でも活躍できる「リーチフォークリフト」、他にもさまざまなシーンに特化したフォークリフトも販売されています。
もし「狭い場所での運用を前提としている」のであれば小回り自慢のリーチフォークリフトを選ぶべきですが、その現場で大型のカウンターバランスフォークリフトを導入してしまうと使い勝手が悪くなるかもしれません。
業者に相談して導入機器を決める
現状でどんな悩みを抱えていて、どんなマテハン機器を導入するのが適しているのかは、現場ごとに異なります。
ニーズにマッチしたマテハン機器を導入するためには、ニーズや現状の課題を適切に業者に説明して、どんなマテハン機器を導入すれば解決できるかを話し合うことが重要です。
まとめ:コンテナスロープは手軽に搬送効率を改善できる
コンテナスロープを用いることにより、物流の効率を改善し、会社にとって大きな利益につながる可能性もあります。
もちろん、コンテナスロープを用いること以外にも選択肢は豊富に存在しますので、業者ともしっかりと話し合ってニーズにベストマッチするマテハン機器を導入してください。