鈴木製機の小荷物専用昇降機は設置が簡単!シリーズ別の特徴を徹底解説!

静岡県に本社を置く鈴木製機株式会社は、物流機器や昇降設備の製作・メンテナンスを請け負っている製造メーカーです。なかでも昇降機関連の設備には定評があり、梱包資材メーカーや精密機器メーカーなど、さまざまな場所で採用されています。

そこで本記事では、鈴木製機が製造する「小荷物専用昇降機」に焦点を当てて解説をします。シリーズ別の特徴や製品仕様はもちろんのこと、小荷物専用昇降機を設置する際に気を付けなければならないポイントも紹介しますので、設置を検討している方はぜひ参考にしてみてください。

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小荷物専用昇降機とは

小荷物専用昇降機とは、建築基準法施行令第129条の3第1項3号にて「物を運搬するための昇降機で、かごの水平投影面積が1平方メートル以下で、かつ天井の高さが1.2メートル以下のもの。」と定められています。

構造自体はエレベーターに似ていますが、決定的に違う点は「人が乗れない」という部分で、主に小荷物を上下運搬するための目的で設置されている昇降設備です。

人が乗ることを想定している設備ではないため、基本的にエレベータよりも安全装置に関する規定が緩和されている特徴があります。

鈴木製機の小荷物専用昇降機とは

ひとくちに小荷物専用昇降機といっても、製造するメーカーによってさまざまなタイプが発売されていますが、鈴木製機が製造する小荷物専用昇降機は「昇降路一体型」のユニット式になります。

そのため、設置する建屋側にて壁の施工が必要ありません。床開口の設置スペースが確保できれば問題なく設置が可能です。また、鈴木製機の小荷物専用昇降機を設置するための機器最低高は40mmなので、スロープ高さが40mmでも設置できます。

なお、設置する環境や構造によっては、竪穴区画にしなければならないケースもありますが、ピットレス(地上設置式)でも施工できます。

また、ステンレス仕様や防爆仕様など使用シーンに合わせた柔軟な対応が可能です。

鈴木製機の小荷物専用昇降機【KLW・KLFシリーズ】

鈴木製機の「KLW・KLFシリーズ」は、工事開始からわずか3日で設置できる小荷物専用昇降機です。なお、昇降設備を導入する際には、製品の特徴を把握することが大切です。

そこでここからは、鈴木製機の小荷物専用昇降機「KLW・KLFシリーズ」の具体的な特徴について解説します。

製品の特徴

鈴木製機「KLW・KLFシリーズ」の搬器寸法については以下の通りです。

開口サイズ奥行き高さ最大床面積
KLW1200mm迄1200mm迄1200mm1㎡
KLF1000mm迄1200mm迄1200mm1㎡

KLWの開口サイズが1200mm迄なのに対し、KLFモデルでは1000mm迄となっています。搬器扉については、商品や荷物が落下するのを防ぐ「伸縮式」が採用されており、扉が閉じていない場合には昇降できない「ドアリミット」付きの昇降路外装となっています。

なお、昇降路については標準装備されているため、改築費用を押さえることができます。鋼板製手動2枚押上げ扉の昇降路扉は、搬器扉同様に扉が開いているときには昇降できない安全装置や、搬器がないフロアでは開かない安全装置が付いています。

また、操作方法も非常に簡単で、どこのフロアからでも呼び出しができる「相互階方式」を採用しています。加えて、一回ボタンを押すだけで昇降する「自己保持回路」となっています。

その他にも、以下のような安全装置が組み込まれています。

・チェーンの緩みを検知してモーターを自動停止させる安全装置

・カゴが所定の位置で止まらない場合の緊急停止用ボタン

・動力モーターで過負荷が発生した場合の緊急停止装置

以上のように、非常に充実した安全装置が組み込まれているため、安心して導入することができます。

シリーズ別仕様表

KLWシリーズ
KLW-240 KLW-300 KLW-500
荷重(kg) 240 300 500
昇降速度 10m/分(15m/分オプション)
電動機 3相200Vブレーキ付ギヤード
0.75kw 1.5kw 1.5kw
電源 10A〜 15A〜 15A〜
搬器最低高さ 40mm
KLFシリーズ
KLF-200 KLF-240 KLF-300
荷重(kg) 200 240 300
昇降速度 10m/分(15m/分オプション)
電動機 3相200Vブレーキ付ギヤード
0.75kw 0.75kw 1.5kw
電源 10A〜 10A〜 15A〜
搬器最低高さ 40mm

シリーズ別の価格について

鈴木製機の小荷物専用昇降機「KLW・KLFシリーズ」の価格は以下の通りです。

・KLWシリーズ:4,174,500~7,865,000円

・​​KLFシリーズ:3,872,000~6,050,000円

KLFシリーズの方がサイズ的にも小さい分、価格帯は安くなっている傾向にあります。いずれも標準工事付きの税込み価格となっています。ただし、運賃オプションなどは別途費用となっており、あくまで標準的な仕様の場合に限ります。(2022年7月時点の価格)

なお、鈴木製機では、最終仕様が決定してから最短1ヵ月で着手できるとしており、工事自体は3日で完了します。そのため、多くの場合、現在稼働中の業務を停止させることなく設置することができるという点はメリットと言えるでしょう。

鈴木製機の小荷物専用昇降機を設置する場合の注意点

鈴木製機の小荷物専用昇降機を設置する場合、建築基準法を遵守しなければなりません。

そこでここからは、小荷物専用昇降機を設置する際にはどのようなことに注意する必要があるのかを解説します。

建築基準法

建築基準法施行令の第百四十六条では、確認申請が必要な昇降機として小荷物専用昇降機も含まれています。ただし、一定の条件を満たす場合は適用除外となっているため、工事を着手する前に確認しなければなりません。

具体的には、「小荷物専用昇降機のテーブルタイプ(扉が床面から50cm以上にあるタイプ)」については、建築基準法において指定がされていません。そのため、テーブルタイプを導入する場合は基本的に確認申請が必要ありません。

ただし、「特定行政庁が指定する建築設備」といった記述が別途されているため、特定行政庁によっては確認申請をしなければならないケースもあります。以上のことからも、確認申請の有無は設置する特定行政庁によって変わってくるということを覚えておきましょう。

検査済証がない建築物

過去に確認申請を行っておらず、検査済証がない建築物の場合、その状態のままでは小荷物専用昇降機を設置することができません。なお、設置をする際には、建築物が現在どのような適合状態になるのか確認・調査をする必要があります。

なお、「検査済証のない建築物に係る指定確認検査機関等を活用した建築基準法適合状況調査のためのガイドライン」として、国土交通省がアナウンスをしています。このガイドラインでは、指定確認検査機関なども公表されているため、調査を受ける場合は指定確認検査機関に問い合わせを行いましょう。

定期検査

小荷物専用昇降機では、建築基準法に基づいて定期点検をしなければなりません。この定期検査は、6ヵ月から1年ごとに実施しなければならず、一級建築士か二級建築士、もしくは昇降機等検査員が検査をする必要があります。

なお、定期検査報告を実施すると定期検査報告済証が発行されるため、カゴ内もしくは見えやすい位置に提示しなければなりません。このように、小荷物専用昇降機を設置した後についても、定期検査等が必要になってくることを予め理解しておきましょう。

昇降機に関する法令・法規はこちら

まとめ

鈴木製機の小荷物専用昇降機はユニット式のため、設置が非常に簡単で、工事開始から3日程度で設置することができます。また、床開口さえあれば設置できることからも、自由度の高いレイアウトを実現できます。

加えて業務を停止させることなく設置できるため、上下階での運搬が必要な企業にはおすすめの製造メーカーです。なお、昇降路扉ドアロックやカゴドアリミット、オーバーランリミットスイッチにサーマルリレーなど、安全装置も設置されているため、安全管理を重視した上で業務効率を向上させたい場合にもおすすめします。

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