フォークリフトによる作業はさまざまな危険をともない、ときに重大な事故につながる可能性もあります。
そのためフォークリフトの運転者および管理者は、フォークリフトを安全に使うための基本を把握しておく必要があるのです。
こちらではフォークリフトで作業をする際に知っておきたい注意点と、安全対策の方法を紹介します。
フォークリフトによる事故を防止するためにも、注意点を理解して実践できるようにしておきましょう。
フォークリフト作業の注意点について
フォークリフトの作業時には、いくつかの注意点があります。
一人一人がその注意点を意識することで、フォークリフトの安全性を高めることができるでしょう。
以下を参考に、まずは各注意点を確認します。
フォークリフトの点検を行っているか
フォークリフトで作業を行う前には、きちんと点検を行うことが求められます。
点検ができていないと、故障の前兆や不具合を見逃してしまい、思わぬ事故を引き起こす可能性があるでしょう。
たとえば以下のようなポイントは、「労働安全衛生規則」によって作業前に点検が必要だと定められています。
・制御装置や操縦装置の機能
・荷役装置や油圧装置の機能
・車輪の異常
・前照燈、後照燈、方向指示器の機能
・警報装置の機能
こういった点をチェックし、損傷や劣化による機能不全が起きていないか確かめます。
もし正常に使えない部分を見つけた場合には、フォークリフトの利用を中止して修理や部品の交換を行いましょう。
ヘルメットを着用しているか
フォークリフトで作業を行う際には、ヘルメットの着用が求められます。
きちんとしたヘルメット着用の上で運転しているのかも、注意点のひとつになるのです。
ヘルメットはただ頭の上に乗せるだけでなく、正しい被り方を実践することも必要です。
まっすぐ深くかぶることが基本で、アゴの部分の紐を緩ませないようしっかりと締める形で着用しましょう。
慣れてくるとヘルメットの着用方法が曖昧になり、その効果を存分に活かせなくなることも考えられます。
定期的にヘルメットの被り方をチェックする機会を設けて、正しい使用方法を従業員に認知させることもポイントです。
無理な運転をしていないか
フォークリフトの無理な運転は、衝突事故などのトラブルを引き起こす可能性もあります。
そのため安全性を重視した運転を行えているかどうかも、フォークリフトの使用における重要な注意点です。
たとえば走行速度を落として運転することが、無理のない運転のひとつになります。
10km/h以下で運転することを意識することで、安全性を高めることができるでしょう。
その他急ブレーキや急旋回などといった、フォークリフトの突然の動きを止めることもポイントです。
パレットに人を乗せて運転していないか
フォークリフトに設置したパレットに人を乗せる行為は、事故のきっかけになります。
パレットに人を乗せてリフトアップしたり、そのまま移動したりするような行為が、現場で行われていないかチェックする必要があるでしょう。
危険行為であることがわかっていても、常習化している現場ではパレットに人を乗せて運転してしまうことがあります。
禁止であることを定期的に伝えて、パレットに人が乗ることを常習化させないようにしましょう。
フォークリフト作業の事故を防ぐための安全対策とは？
フォークリフト作業の事故を未然に防ぐために、安全対策として以下のようなことを実践するのもポイントです。
注意点を把握したなら、それを解決するための安全対策についても確認しておきましょう。
歩行範囲とフォークリフトの移動範囲を明確にする
従業員の歩行範囲とフォークリフトの走行範囲をしっかりと分けることで、接触事故を防ぎやすくなります。
まずはフォークリフトの走行経路を明確にして、そこへの立ち入りを禁止することが安全対策の基本になるでしょう。
フォークリフトの走行範囲に車止めや停止ラインなどの安全装置を設置したり、目印のテープを貼って目で判別しやすくすることが考えられます。
フォークリフトと人の作業範囲を分別して、接触の機会をなくすことを目指してみましょう。
回転式警告灯などを使ってフォークリフトの位置を知らせる
フォークリフトの現在位置を周囲に知らせる回転式警告灯などを使うことも、高い効果に期待できる安全対策になります。
フォークリフトがどこで作業をしているのかが明確になれば、不用意な飛び出しなどによる事故を防ぐことが可能です。
作業範囲を分けることに加えて、警告灯による周囲への注意喚起を行えば、より高い安全性を追求することができるでしょう。
トレーニングや講習を行う
フォークリフトの安全に関するトレーニングや講習を行うことも、安全対策として有効です。
どのような注意点があるのか、どういった事故が起きやすいのかを周知させることで、事故に対する意識が高められます。
ベテランになるほど「気の緩み」が発生して、安全対策が疎かになる事は決して珍しくありません。
だからこそ定期的にフォークリフトを安全に使うための方法を確認し直して、従業員それぞれが意識して安全を守れるようにしていきましょう。
まとめ
フォークリフトで作業をする際の注意点を知ることは、従業員の安全を守ることにつながります。
今一度フォークリフトの作業に関する注意点を確認し、安全に業務を進められる環境を作っていきましょう。
