フォークリフトを運転するためには、免許の取得や特別教育を受ける必要があります。
条件を満たしていない状態での運転は違法となるので、事業者は必ずフォークリフトの運転者に免許の取得や特別教育の受講を実施させる義務があるのです。
今回はフォークリフトの運転免許の種類や、取得に必要な情報を紹介します。
フォークリフトの運転者を獲得する際には、以下を参考に必要な免許や教育について確認しておきましょう。
フォークリフトの免許は2種類ある
フォークリフトの免許(正確には修了証)には、2つの種類があります。
取り扱う最大積載荷重によって必要な免許が変わるので、まずは2つの違いを確認しましょう。
最大積載荷重が1トン以上のフォークリフト
最大積載荷重が1トン以上のフォークリフトの運転には、「フォークリフト運転技能講習修了証」が必要となります。
フォークリフト運転技能講習を受講した上で、その後の資格試験に合格することで取得できる免許(修了証)です。 フォークリフト運転技能講習修了証を取得することで、全てのフォークリフトを運転できるようになります。
最大積載荷重が1トン未満のフォークリフト
最大積載荷重が1トン未満のフォークリフトに関しては、「フォークリフトの運転の業務に係る特別教育」を受けることが必要とされています。
こちらには資格試験がなく、特別教育の受講後に「特別教育修了証」を受け取るだけで、最大積載荷重1トン未満のフォークリフトに限って運転が行えるのです。
フォークリフトの免許の詳細
フォークリフトの免許(修了証)は、18歳以上であれば誰でも取得を目指せる資格です。
そのためコストや期間を把握すれば、すぐにでも取得のための行動に移ることができます。
以下では取得にかかる必要や時間、科目内容を紹介します。
フォークリフトの免許取得費用は?
フォークリフトの免許(修了証)取得のための費用は、一般的に以下のようになります。
最大積載荷重が1トン以上のフォークリフト:受講料やテキスト代を合わせて15,000円~50,000円程度
最大積載荷重が1トン未満のフォークリフト:受講料とテキスト代を合わせて15,000円〜20,000円程度
フォークリフト教習センター・教習所によって料金は変わるので、事前に確認が求められるでしょう。
また、フォークリフト運転技能講習修了証の取得時には、運転免許の有無などによって受講時間が変わるため、それにともなって必要な費用も変更されます。
短くなるほどに費用は安くなり、最安で15,000円程度になることもあります。
フォークリフト免許の取得にかかる時間について
フォークリフトの免許(修了証)取得のためにかかる時間は、以下のように分けられています。
<最大積載荷重が1トン以上のフォークリフト>
講習時間 | |
---|---|
通常 | 35時間 |
普通・中型・大型・大型特殊(キャタピラー)自動車免許の保持者 | 31時間 |
1t未満のフォークリフト特別教育修了後、6ヶ月以上の運転経験がある | 15時間 |
・大型特殊自動車免許(1種・2種・キャタピラー以外)を持っている ・普通・中型・大型自動車免許のいずれかの資格に加えて、1t未満のフォークリフト特別教育修了後、3ヶ月以上の運転経験がある |
11時間 |
最大積載荷重が1トン以上のフォークリフトは、通常35時間の講習を受ける必要があります。
内訳は学科科目が11時間、実技科目が24時間となり、5日間をかけて受講します。
自動車免許を持っていたり、フォークリフトの特別教育を既に修了している場合などには、講習時間を短縮可能です。
<最大積載荷重が1トン未満のフォークリフト>
最大積載荷重が1トン未満のフォークリフトに必要な特別教育では、学科科目に6時間、実技科目に6時間の計12時間になります。
試験が不要なため最短で2日程度で修了し、特別教育修了証を受け取ることが可能です。
フォークリフト免許の科目内容について
フォークリフトの免許(修了証)の取得に必要な科目は、以下のように設定されています。
- 走行に関する装置の構造や、取扱い方法に関する内容
- 荷役に関する装置の構造や取扱いなど作業方法に関する内容
- 運転時に必要となる力学に関する内容
- フォークリフトの運転や取り扱いの関係法令
- フォークリフトの走行時の操作
- フォークリフトの荷役時の操作
これらの科目を数日に分けて学習することが、フォークリフトの免許取得の際には必要となります。
運転技能講習と特別教育で科目に違いはありませんが、必要な時間はそれぞれ変わってきます。
以下の表を参考に、科目ごとの必要時間を確認しましょう。
学科講習の内容 | 運転技能講習 | 特別教育 |
---|---|---|
走行に関する装置の構造や、取扱い方法に関する内容 | 4時間 | 2時間 |
荷役に関する装置の構造や取扱いなど作業方法に関する内容 | 4時間 | 2時間 |
運転時に必要となる力学に関する内容 | 2時間 | 1時間 |
フォークリフトの運転や取り扱いの関係法令 | 1時間 | 1時間 |
実技講習の内容 | 運転技能講習 | 特別教育 |
---|---|---|
フォークリフトの走行時の操作 | 20時間 | 4時間 |
フォークリフトの荷役時の操作 | 4時間 | 2時間 |
基本的に運転技能講習は、特別教育よりも同科目を長く学ぶことになります。
特にフォークリフトの走行に関する科目は、特別教育の5倍の時間をかけて学ぶ必要があるのです。
フォークリフト免許の試験について
フォークリフトの運転技能講習で行われる試験には、「学科試験」と「実技試験」の2種類があります。
それぞれの詳細は、JCフォークリフトセンターを参考にすると以下のようになります。
・学科試験
学科講習の終了後、選択式の試験が行われます。
合格後に実技受講に進むことができ、1回までは再受講が可能です。
・実技試験
実技講習の終了後に行われ、合格の場合には講習最終日に修了証が交付されます。
不合格の場合には翌日以降1時間の補習を受けたのち、再試験を行います。
こちらはあくまでひとつの例になりますが、運転技能講習を受ける場合には試験についても確認しておきましょう。
まとめ
フォークリフトを運転するには、こちらで紹介したフォークリフト運転技能講習修了証もしくは特別教育修了証が必要になります。
免許(修了証)を所持しないでフォークリフトを運転することは違法行為になるので、必ず上記で紹介した講習や試験を受けるようにしましょう。
まずは最大積載荷重に合わせて必要な方を選択し、こちらで必要な学科講習の費用や時間を把握しておくことがおすすめです。