フォークリフトは重い荷物もラクラク運搬できるので、重い荷物を数多く扱う事業所において重宝されているでしょう。そんなフォークリフトですが、実はいくつかの種類に分類でき、それぞれに異なる特徴を有しているのをご存じでしょうか。
そこで今回は、フォークリフトの種類とそれぞれの特徴や運転に必要な資格などの情報について解説します。詳しく解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。
フォークリフトの種類
フォークリフトには、主に以下のような種類が存在します。
- カウンターバランス式
- サイドフォーク式
- リーチリフト式
- ウォーキー式
- マルチディレクショナル式
それぞれ形状が大きく異なるだけでなく、得意分野と苦手分野が大きく異なるため、必要とされる場所ごとに適切な種類のフォークリフトを見極める必要があるのです。
もし、お使いのフォークリフトが、お使いの場所で何らかの不便を感じる場合には、ソ温場所により適したタイプのフォークリフトに買い替えることも検討することをおすすめします。
カウンターバランス式
最も一般的なフォークリフトであり、フォークリフトと聞けば多くの方がイメージするタイプだといえます。
名前の通り車体後方にカウンターウェイト(対になる重り)を備えており、車体前方に備え付けてあるフォーク・マストに積み込む荷物の重さでフォークリフト全体が前方に倒れこんでしまうのを防ぐ構造になっているのです。
カウンターウェイトがあるとはいえ制限重量はありますので、それ以上の重量の荷物を運搬することは避けてください。
サイドフォーク式
カウンターバランス式が「車体前方にフォークが備え付けてあるフォークリフト」であるのに対して、サイドフォーク式は名前の通り「車体の横にフォークが備え付けてあるフォークリフト」です。
フォーク・マストの左右に積載部があるため、パイプや木材などのような「長いもの」を移動させるのに適しています。
リーチリフト式
一般的にカウンターバランス式が「座って操縦するフォークリフト」であるのに対して、リーチリフト式は「立ったまま操縦するフォークリフト」という特徴があります。
運転者の座席がない分だけフォークリフトの後方にスペースが必要なく、小回りが利くので狭い場所での運用に適したタイプのフォークリフトです。
ウォーキー式
リーチ式と似ている特徴を有しているフォークリフトで、名前の通り「歩いて操縦するフォークリフト」です。
リーチ式同様、カウンターバランス式が入り込めないような屋内や狭い場所での荷物の運搬に適しています。
マルチディレクショナル式
他のタイプのフォークリフトとは大きく異なり「栓方向に移動できるフォークリフト」です。
普通のフォークリフトは前後移動が基本なのですが、このタイプのフォークリフトは左右移動も可能となっています。
その他のタイプのフォークリフト
「日本工業規格 JIS D6201 フォークリフトトラック-用語」によると、上記以外にも以下のタイプのフォークリフトが存在します。
・ストラドル式
・パレットスタッキング式
・ラテラルスタッキング式
・三方向スタッキング式
・オーダピッキング式
・ラフテレイン式
・プラットフォームスタッキング式
さらに、同規格においては「動力による分類」「車輪タイプによる分類」「操縦方法による分類」について言及されています。
フォークリフトの運転資格
フォークリフトを使用するためには、以下の2つの資格を取得する必要があります。
「フォークリフト運転技能講習」の修了証
通称「フォークリフト免許」と呼ばれる資格です。都道府県労働局に登録した教習所などの教育機関で講習を受けることができます。
なお、受けるべき講習の内容は「フォークリフトの最大積載重量」により異なります。
・最大積載荷重1t以上:フォークリフト運転技能講習
・最大積載荷重1t未満:フォークリフト運転技能講習またはフォークリフト運転特別教育
特殊自動車免許
私有地内でフォークリフトを運転する場合は上記の修了証があればよいのですが、もし「フォークリフトを公道で走行させる」という場合には「特殊自動車免許」も必要です。
特殊自動車免許は、一般的な自動車免許と同じように、自動車教習所か運転免許試験場で取得できます。
なお、特殊自動車免許には「大型特殊免許」と「小型特殊免許」の2つがあり、運転するフォークリフトのサイズなどの違いによって必要な特殊免許が異なる点に注意が必要です。
まとめ:フォークリフトにも種類があり、必要な資格も異なる
一口にフォークリフトといっても種類があり、それぞれに得手不得手が異なることがわかります。また、フォークリフト用の免許だけでなく、公道走行を考えるのであれば特殊免許も必要な点に注意が必要です。
これらの情報をきちんと把握することで、フォークリフトを安全に使用し、事故や法令違反などのトラブルの発生を防ぐことにつながります。
フォークリフトは荷物運搬に適した車両ではありますが、事故の多発している車両でもある点は無視できません。作業場所に適したフォークリフトをルールに則って使用し、それに必要な資格をもった人が運転することを心がけてください。