垂直搬送機を導入することで、複数階層の建物における重量のある荷物の搬送作業を効率化できます。垂直搬送機は、日本国内に数々のメーカーがあり、メーカーごとに異なる特長の垂直搬送機を提供しています。
そこで今回は、物流システムの専業メーカーである「オークラ工業」の垂直搬送機の特長について解説します。
オークラ工業の3種類の垂直搬送機
オークラ工業では、各々に異なる特長を持つ3種類の垂直搬送機を取り扱っています。
パーフェクトベヤー
徹底した標準化により、省スペースで上下輸送を可能にした垂直搬送機です。省スペース、かつ安全設計により、ユーザーのさまざまなニーズに応えることが可能になっています。
「連続搬送で高能力」「安定した搬送」「搬送物のサイズ、重量に適した機種選択が可能」「省スペース設置が可能で運転操作が簡単」「作業者や搬送物の安全に配慮」という5つの特長を有しています。
垂直搬送機は「省スペースである」ことにより、導入先施設での場所の確保の問題をクリアしやすくなります。
また「安全性が高い」「操作しやすい」といった特長は、導入先での垂直搬送機関連の事故リスクを低減させることにつながります。「徹底した標準化」という、目立った特長がない代わりにシンプルに高性能で使いやすい垂直搬送機として仕上がっている印象を受けます。
リフタ
省メンテ・省スペースな、ケース用リフタです。「シンプル機構」「優れたコストパフォーマンス」「搬送物、設置条件に対応するため様々なタイプを選択可能(エアー式、電動式)」「省スペース設計」「運転操作が簡単」という5つの特長を有しています。
さまざまな搬送物を、単階から多階までスピーディーかつ手軽に搬送でき、シンプル構造ゆえに自在なレイアウトが可能です。
積載荷重は30㎏と、垂直搬送機としては搬送可能な最大重量が少ない点が気になりますが、倉庫などで段ボールサイズの荷物を上下搬送するのに特化しており、シンプル構造ゆえのコストパフォーマンスの高さを期待できます。
使える場面が限られる垂直搬送機ではありますが、スペックを確認したうえで自社であれば活用できるという確信があれば、導入の価値ありの逸品です。
タテコン
搬送物を、ハードベルトとソフトベルトで挟んで垂直搬送するコンベヤです。搬送時に使用するソフトベルトは、搬送物のサイズや形状が異なる場合でも優しく包みますので、ランダムな連続垂直搬送を実現します。
「毎時最大4500個の高速連続搬送が可能」「各所に低音対策を取り入れ低騒音化を実現」「ハードベルトとソフトベルトで優しく包み搬送物に優しい」「搬送物は大小ランダムでもスムーズ搬送」「メンテナンスが容易」という5つの特長を有しています。
搬送時に使用するベルトは自動的に搬送物に覆いかぶさり、到達時には自動的に解除されるので作業効率を妨げることはありません。静音性が確保されているため、騒音による従業員の健康被害や周辺からのクレームなどのリスクを抑えられます。
垂直搬送機の選び方
このメーカーだけでも3種類の垂直搬送機を取り扱っており、数あるメーカーごとに複数種類の垂直搬送機を取り扱っています。垂直搬送機の導入メリットを最大化し、導入に後悔しないためには、適切な選び方をしなければなりません。
導入目的にマッチするか?
最大の条件は「導入目的にマッチしている」ことです。導入先によって「搬送したい荷物の重量」や「搬送したい荷物の量」などの搬送ニーズは異なります。
垂直搬送機は、機種によって最大積載荷重や搬送効率は異なりますので、自社がどんなニーズで垂直搬送機を導入したいのか、そのニーズを明確にしてメーカー公開のスペックを確認する必要があります。
設置スペースの問題をクリアできるか?
他には「設置スペースを確保できるか?」という問題をクリアできるかどうかです。垂直搬送機は、最大積載荷重などの問題で大型化する傾向にあり、仮にスペックなどの条件をすべて満たしていても設置予定の場所に設置できるサイズであるかどうかは残る課題となります。
メーカーに相談して最適な機種を選び出す
こうした選定作業は、導入先だけで考えられることではありません。スペックやサイズなど、カタログスペックでわかる部分だけが、垂直搬送機の導入基準にはならないのです。
さまざまなスペック・特長・導入メリットなどを総合的に加味して、最適な機種を選び出すことが重要です。そのための重要な情報は、誰よりも垂直搬送機のことを知っているメーカーの担当者に相談することで知り得ます。
導入目的や導入場所の条件などを洗いざらいにして、それをメーカーに相談して最適な機種を選びましょう。
まとめ:異なるメリットを持つ垂直搬送機を適切に選ぶべし
垂直搬送機は、メーカーごとに複数台を取り扱っていることが多く、同じメーカー内でも異なる特長を有した垂直搬送機を選ぶ余地があります。また、メーカーごとに得手不得手が異なりますので、自社の導入ニーズに合ったメーカーを探し出し、その上でニーズをメーカー担当者に伝えて最適な導入機種を選びましょう。
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