アクトレーターとは?製品の特徴から導入事例まで解説

荷物用エレベーターなどの昇降機は建築基準法が適用されるため、建築確認申請などを行う必要があります。一方で、垂直搬送機はこれらの法規制の適用除外となるため、導入時のコストも抑えることが可能です。

そこで本記事では、物流機器トップメーカーの鈴木製機が製造する垂直搬送機『アクトレーター』に焦点を当てて解説します。製品の特徴や種類、導入事例まで詳しく解説しますので、垂直搬送機の導入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

アクトレーターとは?

アクトレーターとは、鈴木製機が製造・販売を行っている垂直搬送機シリーズです。主に、軽い荷物から重い荷物まで、幅広い荷物を高速で上下階搬送ができるメリットがあります。

なお、建築基準法や、労働安全衛生法における法規制を受けない『垂直搬送機』に分類されているため、行政庁に申請や報告をする必要がありません。また、法定点検の実施や定期検査などの報告義務も無いため、メンテナンスは自主点検で対応できるメリットもあります。

建築基準法における垂直搬送機とは

アクトレーターの特徴

鈴木製機が製造する垂直搬送機シリーズ『アクトレーター』は、建築基準法や労働安全衛生法の適用除外というメリットだけではなく、以下のような充実した特徴もあります。

・事故を未然に防ぐ設備が充実している

・何かしらの異常を検知する装置も搭載

では、これらアクトレーターの特徴を詳しく解説します。

事故を未然に防ぐ設備が充実している

垂直搬送機は、作業員が昇降路内に侵入できない構造となっているため、昇降機よりも安全な搬送設備です。なお、アクトレーターはさらに安全設備が充実した垂直搬送機で、以下のような事故を防止する設備があります。

・荷姿を検知する装置

・異常が発生した際のブザー音

オプション装備品にはなりますが、運転/満杯/異常を視認できるシグナル表示器や回転灯、ライトカーテンなども搭載することが可能です。また、昇降設備内に荷物を残さない安全機能や、自動運転中にも停止ボタンひとつで全ての動作を停止できる『サイクル停止機能』も搭載されています。

その他にも、荷物が満杯になった際に停止する機能など、連続搬送する際に必要な安全防止機能がアクトレーターには搭載されています。

異常を検知する装置も搭載

アクトレーターには、異常を検知するための安全装置が多く搭載されています。例えば、動力となるモーターの過負荷や、インバーターなどを異常検知する装置も標準搭載されています。

その他にも、オーバーランを検知する装置が上下部に設置されているほか、突込み異常の検知や高さ制限も設けています。なお、異常が検知された際には、自動運転を強制的に停止させるシステムが完備されているため、より安全に運用することが可能です。

アクトレーターの種類

垂直搬送機シリーズのアクトレーターには、搬送できる荷物の最大荷重や搬送能力別に以下の製品ラインナップに分かれています。

・KHTシリーズ

・KHSシリーズ

・LHTシリーズ

・LHSシリーズ

そこでここからは、アクトレーターのシリーズ別の特徴について解説します。

アクトレーター一覧はこちらから

KHTシリーズ

アクトレーターのKHTシリーズは、大型タイプに分類される垂直搬送機です。搬送できる荷物の荷重は1.5tから2tまで対応しており、荷物を載せる搬器は最大で6㎡の大きさが確保されています。

搬送速度は最高で40m/分となっており、非常に高速な搬送を実現しています。なお、KHTシリーズについては、1階が同一方向型の『C型』、2階が通り抜け型に該当する『Z型』の出し入れが可能となっています。

KHS

アクトレーターのKHSシリーズは、中型タイプに分類される垂直搬送機です。搬送可能な荷重は1tから1.5tまで対応しているほか、搬器サイズは4㎡の大きさが確保されています。

搬送速度については、KHTシリーズが最高で40m/分可能だったのに対し、KHSシリーズの最高速度は30m/分となっています。荷物の出し入れに関しては、KHTシリーズと同様にC型とZ型に対応しています。

LHT

アクトレーターのLHTシリーズは、中型タイプに分類される垂直搬送機です。KHSシリーズと同様に、搬送可能な荷重は1tから1.5tまで対応しているほか、搬器サイズは4㎡確保されています。

一方で、搬送速度はKHSシリーズの最大が30m/分なのに対し、LHTシリーズは最大40m/分の高速搬送が可能です。また、1階が同一方向のC型、2階が左右の出し入れが可能となっています。

LHS

アクトレーターのLHSシリーズは、中型タイプに分類される垂直搬送機です。ラインアップされている中では、もっともリーズナブルなモデルとなっており、最大荷重1tまで対応しているほか、搬器サイズは3㎡確保されています。

なお、搬送速度については、KHSシリーズと同様に最大が30m/分の搬送が可能となっています。荷物の出し入れについては、LHTシリーズと同様に、1階が同一方向のC型、2階が左右の出し入れとなっています。

アクトレーターの料金

シリーズKHTKHSLHTLHS
料金約880万円〜約820万円〜約950万円〜約850万円〜
工期5日から10日程度5日から10日程度5日から10日程度5日から10日程度
備考標準工事付き、運賃別途、オプション別途※標準仕様で導入した場合の金額※導入仕様が決定してから最短2ヶ月で納品

アクトレーターの導入事例

アクトレーターを発売している鈴木製機では、大型タイプの垂直搬送機『KHTシリーズ』の導入事例を公開しています。

導入前の環境は、昇降機やフォークリフトを活用して1日当たり60回程度の上下搬送を実施。より安全管理を強化するため、昇降路内に人が入ることがない設計の垂直搬送機を採用したいと考え『KHTシリーズ』を導入したとのこと。

導入後については、安全性の向上はもちろんのこと、作業効率も大幅に改善。昇降路内に人が入って作業することがなくなったため、1日当たり約40分程度の省力化を実現しています。

アクトレーターを製造する鈴木製機

『アクトレーター』を製造する鈴木製機では、垂直搬送機をはじめとするさまざまな物流機器を販売しています。

そこでここからは、鈴木製機の特徴や製品ラインナップについて紹介します。物流機器の導入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

物流機器トップメーカー

鈴木製機株式会社は、創業から90年以上続く物流機器の大手メーカーです。垂直搬送機や昇降機、各種コンベヤなどの搬送装置を主に製造しており、使いやすさはもちろんのこと安全性にも定評があります。

トレー搬送型の垂直搬送機『トレーリフター』は、簡易リフトに変わる製品として注目されており、物流業界のみならず、ゴム製造メーカーや梱包資材メーカー、ゲルコート製造メーカーなど、さまざまな業界で導入の実績があります。

製品ラインナップ

鈴木製機株式会社では、主に以下の製品がラインナップされています。

・垂直搬送機

・小荷物専用昇降機

・コンベヤ

垂直搬送機に関しては、今回解説したアクトレーターだけではなく、台車やハンドリフトでの搬入が可能なトレー搬送型垂直搬送機『トレーリフター』もラインナップ。その他にも、簡単な操作で価格もリーズナブルな『ポーリフトオート』なども販売されています。

垂直搬送機一覧はこちら

小荷物専用昇降機については、昇降路一体型のユニット式のため、建屋側の壁施工も必要なく導入ができます。コンベヤについては、以下のタイプがラインナップされています。

・チェーンコンベヤ

・ローラーコンベヤ

・トラバースコンベヤ

・直角移動コンベヤ

・ステーションコンベヤ

・入出庫台車

・パレット段積ばらし機

これらは、全てパレット搬送が標準化されています。

コンベヤ一覧はこちら

以上、さまざまな製品がラインナップされているため、搬送工程別に適した製品を導入することができます。

まとめ

アクトレーターは、鈴木製機株式会社が製造・販売している垂直搬送機シリーズです。重荷重に対応しているKHTシリーズや、中荷重に対応しているKHSシリーズなど、荷重に合わせてさまざまなタイプがラインナップされています。

ワークの取り出しについては、シリーズによって前後方向のZ型や左右方向に取り出しができるタイプなどもあるため、設置環境に合わせて選ぶようにしましょう。

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