まず、フォークリフトを使うためには「免許」が必要であり、操縦するフォークリフトの能力に応じて適切なタイプの免許を取得しなければなりません(詳しくは別記事を参照)。
さて、一般的な運転免許には「更新」という作業が必要なのはご存知でしょうが、では、フォークリフトの免許にも更新や失効などの特徴はあるのでしょうか?
そこでこちらでは、フォークリフト免許の更新や失効、再発行などについて解説します。
フォークリフト免許の更新
フォークリフト免許には、一般的な運転免許証のような「更新」の手続きは必要ありません。
運転免許証には有効期限があり、一般的に数年に一度の頻度で更新しなければなりません。
しかし、フォークリフトの免許には運転免許証のような有効期限が存在しないため、有効期限満了に伴う更新手続きも存在しないのです。
ただし、免許に記載している「氏名が変わった」場合には、免許の書替え手続きが必要になりますので、免許を取得したセンターに問い合わせてください。
その際には、氏名変更を証明できるもの(戸籍抄本や、裏面記載のある運転免許証など)を用意してください。
なお、「住所が変わった」場合には特に変更手続き等は必要ありません。
フォークリフト免許の再発行
フォークリフト免許を紛失または破損した場合には、厚生労働省の案内に従って再発行の手続きをとる必要があります。
原本を紛失等した場合
紛失したのが「修了証(原本)」の場合には、3つの選択肢があります。
まず「技能講習を受講した機関が現在も再発行の業務を行っている」場合であれば、受講した機関に再交付を依頼してください。
次に「技能講習を受講した機関が現在は再発行の業務を行っていない」場合であれば、発行事務局で修了証の代わりに「修了証明書」の新規発行を行いますので、問い合わせて手続きしてください。
最後に「どこで受講したのか覚えていない」という場合には、発行事務局に「技能講習修了資格に関する資格照会」を行うことで、どこで受講したのか分かる可能性がありますので、判明後に上記2つのどちらかの方法で再発行してもらってください。
統合カードを紛失等した場合
紛失したのが「修了証明書(統合カード)」の場合には、発行事務局にて再発行手続きを依頼する必要があります。
以下の書類を用意して手続きを行ってください。
・交付申込書
・証明書用写真
・本人確認のための書類
・技能講習修了証明書(損傷の場合のみ)
・滅失届(滅失の場合のみ)
フォークリフト免許の失効
フォークリフト免許には、運転免許のような「失効」や「はく奪」といった、資格喪失となる行為は存在しません。
運転免許証の場合、事故などの理由で免許が失効されることもありますが、フォークリフト免許の場合はそうした「フォークリフトを運転できなくなり、再度講習を受けなければならない」といった事態になることはありません。
つまり、一度フォークリフト免許をとれば、一生使うことができる資格であるということです。
なくならないフォークリフト免許を大切に使うべし
これまでに説明した通り、フォークリフト免許は「更新不要」「再発行可能」「失効しない」といった、一生モノの資格として仕事に活かすことができます。
だからといって、どんな使い方をしても良いというわけではありません。
最近ではあまり聞かなくなりましたが、一時「バカッター」という言葉がニュースでよく取り上げられていました。
雇用されている身でありながら(経営者でも悪い話ではありますが)、職務倫理上明らかに咎められる行為をして、それを自分自身で情報発信して拡散されるという話です。
このような行為は、勤務先に莫大な損失を与えることになり、場合によっては(元)雇用先から損害賠償請求される可能性もあります。
さて、こうした事態に陥ったとしても、ルール上フォークリフト免許は失効・はく奪されることはありませんが、今後その資格を活かせるかどうかは別です。
業界には「横のつながり」というものがあり、問題を犯した従業員の名前は同業界隈で共有・拡散されるものです。
例えば「〇〇という奴はフォークリフトで危険行為をした」という情報が業界内に広まれば、フォークリフト免許を活かした仕事に就くことや、同じ勤務先に定着することが難しくなるかもしれません。
「一生使える資格である」ということを重くとらえ、それを活かすためには講習や実践で学んだ安全な使用方法を実践し続けることが重要であることをしっかりと自覚しましょう。
まとめ:ルールに則ってフォークリフト免許を取り扱いましょう
フォークリフトの免許は「更新する必要がない(そういった制度がない)」「紛失しても講習なしで再発行してもらえる」「何をしても失効・はく奪されることがない」という特徴があります。
だからといって軽々しく扱えるものではなく、数トンクラスの重量のある荷物を扱う機材の免許であることを念頭に置き、日々の仕事の中で安全な使い方を続けることが何よりも重要です。