工場や倉庫では数多くの重たい荷物を運ぶ必要があります。それを手助けするツールとして「搬送装置」がありますが、一口に搬送装置といっても種類があります。
種類ごとに異なる特徴を有していますが、どの搬送装置も適切に設置できれば導入メリットは大きいでしょう。そこでこちらでは、工場や倉庫で使用される搬送装置の種類と、搬送装置を導入することのメリットについて解説します。
搬送装置の種類
搬送装置を大まかに分類すると、以下の3種類が挙げられます。
コンベア
製造工場などで、部品や荷物を水平方向に搬送するための装置です。
主に電動式のベルトコンベアが用いられていますが、傾斜を利用した動力を用いないタイプのコンベアもあります。電動式のコンベアは機械制御により動作をコントロールし、他工程との連携などに用いることも可能です。
汎用性の高さにより広く普及しているタイプの搬送装置であるため、製品のラインナップが多いことも特徴として挙げられます。一度に多くの物体を搬送できる装置であるため、生産ラインにおける主力装置の1つとして扱われることが多いです。
昇降装置
製造工場や倉庫などで、部品や荷物を垂直方向に搬送するための装置です。「エレベーター」や「リフト」などの名称で運用されており、種類ごとに人の乗降の可否や設置・整備に関する法律の関わり方が異なります。
工場や倉庫などの施設によっては1階部分だけでなく、2階以上や地下にもスペースがあり、垂直方向に荷物を運搬する必要があるところも少なくありません。こうした施設で扱う荷物の中には重量や大きさが相当なものも含まれており、人力での運搬は苦労を伴います。
昇降装置を利用することで楽に荷物を垂直方向に運ぶことができ、作業の効率と安全性を確保しつつ操業するために欠かせない設備です。
無人搬送装置・搬送ロボット
大型の倉庫を中心に用いられている、小型で独立した無人の搬送装置やロボットです。プログラム制御により、センサーやカメラをソフトウェアで制御して荷物の搬送を行います。
有人制御のフォークリフトなどと比較すると作業の柔軟性の点では劣りますが、あらかじめ決められたルートである程度の荷物を搬送する際には人件費などの効率の点で有力な搬送装置です。
装置ごとに大きさや得手不得手は異なりますが、一定のルートを段ボールサイズの荷物のやりとりをするために用いられるケースや、人間の作業員と一緒に作業するタイプのロボットもあります。
搬送装置を導入することのメリット
搬送装置を導入することにより、以下のようなメリットを享受できます。
作業の安全性が向上する
1つ目のメリットは「作業の安全性の向上」です。工場や倉庫では、ときに1000㎏クラスの大型で重量級の荷物を運ばなければならないケースもあるでしょう。
これを人の手によって行う場合、1つの荷物に何人もの人手を用いなければなりませんし、荷物の転倒や滑落などにより作業員がケガするリスクも高まります。搬送装置を用いることで重たい荷物でも安全に搬送することができるようになり、作業現場での作業員の安全性を確保することにつながるのです。
作業の効率が向上する
2つ目のメリットは「作業の効率の向上」です。重い荷物を数多く、人の手によって搬送することはどうしても人時生産性(時間あたりの1人あたりの売上効率)を低下させてしまいます。
また、同じ時間でこなせる作業量が少なくなれば、受注できる仕事量にも悪影響を及ぼすことになるでしょう。搬送装置を用いることで人の手による搬送作業よりも効率的に荷物の搬送が可能になり、必要なところだけ人の手を用いることにより人時生産性を高められます。
品質が向上する
3つ目のメリットは「品質の向上」です。搬送作業で品質って何?と思われるかもしれませんが、実のところ荷物の運搬作業にはどうしても「衝突などによる荷物の損傷」というリスクが避けられません。
もし、搬送中の荷物が滑落して全損状況となれば、全額弁償の憂き目にあうだけでなく、作業現場としての信頼性を損ねることになるのです。搬送装置は適切な使用法を遵守することにより、安全かつ効率よく搬送作業をこなせるようになるため、搬送する荷物の品質を高い状態で維持することにつながります。
メディアでの露出が増える可能性もある
4つ目はおまけ程度ですが、メリットとして「メディア露出の向上」が考えられます。メディアでは「最新の作業現場」「実用化されている最新の機械」などで特集することもあるでしょう。
最新・便利な搬送装置を導入することによりメディアで注目されれば、仕事の受注や採用に良い影響を及ぼす可能性が考えられます。
まとめ:搬送装置で作業効率と安全性をアップ!
搬送装置には種類があり、得手不得手は異なりますが導入により作業の安全性や効率を高めることにつながります。
搬送装置は種類ごとに関係する法律も異なりますので、安全かつ適切に運用するためには導入時に適切な選択と手続きを実施することが欠かせません。
導入に際して不明な点があれば、担当者に確認して不安を残したまま搬送装置を導入するような事態に陥らないように注意しましょう。