物流KPI(物流管理指標)とは?メリットや導入ポイントを徹底解説!

物流業務の中には改善しなければならないポイントが多く存在するため、状況をきちんと分析していかなければなりません。しかし、具体的にどのようなポイントに注目して改善すればいいのか分からないという方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、物流業務を改善するために重要な「物流KPI(物流管理指標)」について解説します。また、導入した場合のメリットや注意しておきたいポイントも解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

物流KPI(物流管理指標)とは?

KPIとは「Key Performance Indicator」の頭文字をとった略称で、日本語に直すと「重要業績評価指標」になります。主に目標値の達成度合いを可視化しつつ、計測や監視をするための指標となります。

なお物流業界における物流KPIとは、主に以下の3つの点を分析するために利用されています。

・コストや生産性

・品質やサービス

・物流(配送)条件

物流KPIでは、これらの項目を分析することによって、業務品質の向上を目指します。

物流KPIを導入するメリット

物流KPIを導入することで得られるメリットは、問題点の可視化、コミュニケーションの促進、公平な評価の実現の3点です。これらを正確に把握することで、漠然とした感覚から明確な数値として評価できるようになります。

そこでここからは、物流KPIを導入することで得られる3つのメリットについて、さらに詳しく解説します。

問題点を可視化できる

物流における業務内容を改善する場合、全てのプロセスを体感で評価することはできません。しかし、物流KPIを定めることによって、これまで感覚で評価していた内容も全て定量的に物事を評価するため、問題のある箇所を可視化できるようになります。

例えば、漠然と「誤出荷を改善する」という目標では、何をどうすれば良いのかが明確ではありません。一方で、KPIを活用することで「0.3%ある誤出荷を0.1%まで改善する」というような目標値設定も可能になります。

コミュニケーションが促進する

物流業務のプロセスは多岐に渡るため、荷主だけではなく、各物流拠点や納品先、作業スタッフなど、非常に多くの人とコミュニケーションを取る必要があります。業務内容を改善する場合、問題点を共有しなければなりません。

この際にもKPIを活用することで、問題点が明確になるため、課題を共有しやすい環境を構築できます。そのため、従来よりも円滑なコミュニケーションが実現できる点は大きなメリットと言えるでしょう。

公平な評価の実現

業務内容を改善して品質を向上させるためには、従業員の適正な評価を行う必要があります。評価につながらない環境下では、スタッフのモチベーションはもちろんのこと、正しい人事評価もできなくなります。

しかし、KPIをきちんと設定している場合、主観ではなく数値データによる評価が可能になるため、公平な評価が実現できます。正しい評価を行うことで、業務内容の改善も促進するでしょう。

物流KPIの計算方法

国土交通省から発表された「物流事業者におけるKPI 導入の手引き」にも紹介されているとおり、物流KPIは「コスト・生産性」「品質・サービス」「物流・配送条件」に分類されています。

そこでここからは、物流KPIの分類別の計算方法について詳しく解説します。

コスト・生産性

①保管効率=保管間口数÷総間口数
 ※保管スペースの保管効率を表す指標

②人時生産性=処理ケース数÷投入人時
 ※ピッキングや仕分け作業などの生産性を表す指標

③数量当たり物流コスト=物流コスト÷出荷数量
 ※総物流コストを数量あたりで管理する指標

④日次収支(物流センター・トラック)=1日の収益−1日のコスト
 ※日次単位の収支を算出した指標

⑤実車率=実車キロ÷走行キロ
 ※空車走行を削減するために、車両の稼働状況を表す指標

⑥実働率=実働日数÷営業日数
 ※非稼働を削減するために、車両の稼働状況を表す指標

⑦積載率=積載数量÷積載可能数量
 ※配車やルート、物流条件の見直しなど、積載効率の改善を図るための指標

品質・サービスレベル

①棚卸差異=棚卸差異÷棚卸資産数量
 ※実在庫との差異を計測した上で、在庫管理の改善に活用するための指標

②誤出荷率=誤出荷発生件数÷出荷指示数(または受注数)
 ※出荷先の間違いや商品間違い、数量間違いなどの誤出荷発生件数を表す指標

③遅延・時間指定違反率=遅延・時間指定違反発生件数÷出荷指示数(または受注数)
 ※納期の遅延発生や時間指定の違反などの発生件数を表す指標

④汚破損率=汚破損発生件数÷出荷指示数(または受注数)
 ※商品の汚れや破損が発生した件数を表す指標

⑤クレーム発生率=クレーム発生件数÷出荷指示数(または受注数)
 ※ユーザーからのクレーム発生件数を表す指標

物流条件・配送条件

①出荷ロット=出荷数量
 ※納品先別の出荷ロットを計測するための指標

②出荷指示遅延件数=締め日以降の出荷指示件数
 ※出荷指示の遅延を計測し、改善を図るための指標

③配送頻度=配送回数÷営業日数
 ※配送先の配送頻度を計測し、納品を改善するための指標

④納品先待機時間=納品先で発生した待機時間
 ※納品先に到着した際に待機した時間を計測し改善するための指標

⑤納品付帯作業時間=納品先で発生した付帯作業時間の平均
 ※納品先で発生した契約外の作業発生時間を計測し、是正をするための指標

⑥納品付帯作業実施率=付帯作業の実施回数÷納品回数
 ※契約外の作業は物流効率を阻害するため、付帯作業の実施状況を計測するための指標

物流KPIの導入ポイント

物流KPIを活用することによって、業務内容を改善して品質の向上が期待できます。しかし、何を意識して評価基準を構築しなければいけないのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。

そこでここからは、物流KPIを導入するに当たって、確認しておくべきポイントを詳しく解説します。

導入目的の明確化

物流KPIを活用した評価体制を構築する場合、導入目的を周知させるようにしましょう。目的が明確でない状態で開始してしまうと、収集したデータの有効活用ができないまま終わってしまうケースがあります。

また、各現場からの理解が深まらないため、改善するための施策が失敗してしまう可能性もあるでしょう。以上のことからも、物流KPIを導入する目的は明確にした上で、スタッフからも理解されることが重要です。

PDCAサイクルの構築

物流KPIを導入して取り組む場合、正確な数値を計測した後、改善策をたてて実行しなければなりません。いわゆるPDCAサイクルをきちんと構築して、物流KPIを有効活用することが重要です。

やみくもに取り組むのではなく、多角的な視点から原因を把握して改善策を実行しましょう。なお、物流KPIを活用した業務改善は、一度に全てを改善できるわけではありませんので、中長期的な目線も視野に入れて取り組むことをおすすめします。

ルールの策定

物流KPIを効果的に活用するためには、目標を立てる以外にも、どの程度の達成を良しとするのかを明確にしなければなりません。目標値の達成具合を明記することによって、スタッフの意思疎通もしやすくなるメリットがあります。

また、達成値だけではなく、改善が必要となる実績値はどの程度なのか、事前にルール策定をしましょう。問題となるレベルが視覚的に明確になるため、スタッフの意識レベルも向上します。

まとめ

物流KPIとは、目標値を明確に定められるほか、目標達成値も視覚的に判断できるようになるため、物流業務を改善するのには欠かせない施策と言えます。なお、問題点を可視化できる以外にも、業務品質の公正な評価を実現でき、スタッフのコミュニケーションも促進します。

ただし、あくまで物流KPIは指標となるデータになるため、有効活用するためには導入目的を明確にしなければなりません。また、事前にルール策定を行った上で、導入後はPDCAサイクルを回してより良い業務品質に改善を図ることが重要です。

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