倉庫などで荷物を保管しておくために「ラック」を用いることがあります。
ラックによりスペースあたりの保管効率を高め、作業効率も改善しますが、そんなラックの中に「重量ラック」と呼ばれるものがあります。
そこでこちらでは、重量ラックの特徴や、重量ラックを運用するメリットについて解説します。
重量ラックとは?
重量ラックとは「パレットラック」とも呼ばれるラックで、一棚あたりの積載荷重が500kgを超えるラックのことです。
パレットを載せることを主な目的としており、さまざまな点において運用しやすい特徴を有しています。
重量ラックの特徴
重量ラックは名前の通り「重量のある荷物を載せることに適している」という特徴がありますが、具体的には以下のような特徴を有しているラックだといえます。
重量のあるパレットごと載せるのに適している
重量ラックは名前の通り「重量のある荷物を載せられる」というメリットがあります。
具体的な積載荷重は製品ごとに異なりますが、基本的に500㎏以上、中には数tクラスの積載荷重を持つ重量級の重量ラックもあります。
パレット単位で載せることが基本的な運用スタイルとなりますので、最も重量の重いパレットが何kgであるかによって積載荷重を選定(一般的に1棚2パレット載せることが多いので、最大重量のパレットの重さ×2が最低ラインとなる)しやすいです。
組み立てやすく、増設等がしやすい
重量ラックは「組み立てやすく、増設などがしやすい」という特徴があります。
倉庫や工場などの物流を伴う施設においては、扱う荷物の大きさや重さ、数量が変化することも想定しなければならず、これを保管しておくためのラックも必要に応じて増減させる必要があります。
基本構造がシンプルで必要なパーツもそれほど多くないのが一般的なので、ニーズに合わせて重量ラックを増設する等して最適な荷役状況を維持しやすいのです。
さまざまなバリエーションがある
重量ラックは「さまざまなバリエーションがある」という特徴があります。
例えば「移動式重量ラック」は電動などによりラックが移動することで、より高い保管効率を達成できます。
その他にも、長尺物の保管に最適な「バーラック」や、パレット積載以外で収納する場合や脚付パレットを収納するのに適応できる「棚板ラック」などがあります。
重量ラックはニーズや利用シーンが幅広く、多くの物流拠点において利用実績があるため、さまざまなバリエーションを取り扱っているメーカーも少なくありません。
重量ラックの積載荷重とコストの問題
重量ラックは「積載荷重が重いほど汎用性に富む一方でコストが高くなる」という特徴があります。
そのため、使用ニーズを把握して、過不足ない水準のスペックをもった重量ラックを導入することが重要です。
重量ラックの積載荷重
重量ラックに限った話ではありませんが、上に何かを載せる機材には「積載荷重」が設定されています。
要するに「どれだけ重い荷物を載せられるか」のステータスです。
例えば、積載荷重が1トンの重量ラックであれば、総重量1t未満の荷物であれば問題なく保管できるでしょう。
しかし、1tを超える重量を載せた場合は、いつ壊れてしまってもおかしくはありません。
積載荷重とラックの値段
一概には言えませんが、多くの場合は同じメーカーの製品で比較すると、重量ラックの積載荷重と値段は比例関係にあります。
つまり、積載荷重が重い重量ラックほど、購入費用も高額になってしまうということです。
基本的に、積載荷重が重いほど多くの荷物を積めるということですから、基本的に使いやすく、汎用性が高くなるといえます。
物流の事情は変動しますので、今取り扱っている荷物よりも比重の重い荷物にシフトすることもあるでしょうから、最初から積載荷重の重い重量ラックを導入しておけば取扱いに持つの変化にも柔軟に対応できるでしょう。
しかしながら、積載荷重が重いほど購入費用が高額になるため、利便性は高いものの実際には値段に釣り合った活躍ができないという結果になる可能性も捨てきれません。
逆のパターンもあるので、コストを抑えるために積載荷重の軽い安めの重量ラックを無理して導入するというケースもあるかもしれませんが、積載荷重を超える荷物を載せれば破損リスクが高まり、荷物が落下して大きな損害が発生するリスクは避けられません。
過不足ないレベルが重要
重量ラックを導入するにあたっては、取り扱う荷物の重量を考慮して、その荷物を載せるのに適している積載荷重その他のスペックを持ち、過剰すぎないレベルに留めることでコストパフォーマンスを維持することが重要です。
重量ラックは設置や増設等がしやすいという特徴がありますので、ニーズが変わったらそれに合わせて増設等をすれば事足ります。
まとめ:現場の作業ニーズに最適なスペックを把握して重量ラックを導入
重量ラックを「事故なく」「良好なコストパフォーマンスで」運用するためには、作業現場のニーズに合わせて過不足ないレベルのスペックを持った重量ラックを導入することが重要です。
また、一口に重量ラックといってもバリエーションが豊富なので、基本スペック以外の特徴についても考慮すれば、導入メリットが最大化します。
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