技術の進歩に伴い、従来の働き方から近代的な新しい働き方へと変わっていく流れができつつあります。
物流倉庫においても、進歩した機械技術やAI技術を取り入れることにより、省人化が可能であるとされているのです。
そこでこちらでは、物流倉庫の省人化に必要な機器や、省人化を進めることによるメリットについて解説します。
物流倉庫の省人化に役立つマテハン機器
物流倉庫を省人化・無人化するためには「マテハン機器」を導入するのが一番です。
搬送装置・自動倉庫
物流倉庫の省人化に最も役立つ機器といえば「無人搬送装置」があり、それらを活用した「自動倉庫」が注目されています。
従来の運搬装置、例えばフォークリフトなどは、人の手では難しい重量級の荷物運搬を可能にしますが、運転者という人手はどうしても必要でした。
フォークリフトによって数人分の仕事をこなすことも倉庫の省人化になりますが、無人の搬送装置はそれすらも必要とせず、倉庫から必要な荷物をピッキングして必要な場所まで運搬することが可能になったのです。
一部を無人化したケースもあれば、倉庫全体を無人化して完全な自動倉庫を成立させたケースもあります。
サポート機器
完全な無人化とはなりませんが、最新の技術を用いた省人化としては「サポート機器」を導入した物流倉庫もあります。
例えば、ピッキングしたい荷物をランプ点灯などで可視化して見つけやすくしたり、ピッキング時の最短の導線を表示してその通りに作業することで作業時間を最適化するシステムが該当します。
物流作業に携わる人をサポートすることで作業時間を削減し、少ない人手でも効率よく作業をこなせるような機器が登場しているのです。
物流倉庫を省人化するメリット
物流倉庫を省人化することにより、以下のメリットを享受できます。
従業員の事故・ケガのリスクが抑えられる
省人化により、従業員が倉庫業務で事故やケガによる被害を被るリスクを抑えられます。
物流業務では、高所にある重い荷物を扱うなど、どうしてもケガにつながる可能性がある作業が必要です。
マテハン機器を導入して物流の現場を省人化することにより、事故やケガにつながりやすい作業は機械に任せることができ、危険を伴う作業現場に人の手が必要な場面が減ることで従業員がケガや命にかかわるような事故に巻き込まれるリスクが最小限に抑えられます。
従業員の体調に物流業務が影響されない
省人化により、従業員の体調や感染症の流行など、作業性を低下させる要因に物流業務が影響されにくくなります。
どんな仕事・作業であっても、体調の良い状態と、体調の悪い状態では、後者の方が効率が悪くなるのは当然です。
時期によっては、風邪やインフルエンザなどの感染症、熱中症などの季節性の病気によって従業員のパフォーマンスが低下し、それが複数の従業員に波及するような原因である場合には業務全体に大きく差し支えることになるでしょう。
機械も不調をきたすことはありますが、適切にメンテナンスをしておけば、人間のように病気やケガによるパフォーマンス低下を起こすことなく、常に一定のパフォーマンスで物流業務を担ってくれます。
人手不足を解消できる
省人化によって、物流現場の人手不足を一気に解消できます。
現場によっては、募集をかけてもなかなか十分な人手を確保できないこともあるでしょう。
省人化のためにはマテハン機器を導入して人間の代わりに作業してもらったり、作業効率を高めることができますので、少ない従業員数でも物流現場がきちんと機能します。
また、既存の従業員は機械では代替できない作業に集中させることで、事業の効率化や拡大などにつながるのです。
物流倉庫の省人化の課題
さまざまなメリットを持つ物流倉庫の省人化ですが、いくつかの課題をクリアしなければなりません。
導入費用と維持費用の捻出
最大の問題は「導入費用」や「維持・メンテナンス費用」をいかに捻出するかです。
この手のマテハン機器は1台当たり数百万円クラスの購入費用がかかるケースも多く、倉庫単位で省人化するとなれば億単位で費用が発生します。
既存の従業員との兼ね合い
2つ目の問題は「既存の従業員と向き合う必要がある」ことです。
新しい技術を取り入れて作業フローが大幅に変わるとなれば、教育が必要になりますし、人手を減らす現場ともなれば現場の作業員からの反発もあるかもしれません。
思った通りの効果を発揮しないケースもある
3つ目の問題は「想定通りの効果が発揮されない可能性がある」ことです。
確かに、マテハン機器を導入した倉庫の省人化は作業効率を高めることがメリットの1つとして挙げられますが、導入する現場の状況や扱う荷物の種類、その他さまざまな条件次第では導入する機器の真価を発揮できない可能性もあります。
まとめ：最新のマテハン機器を取り入れて物流倉庫を省人化！
クリアするべき課題もいくつかありますが、物流倉庫を省人化することは時代の流れに則したものであり、新しい時代の物流業界で生き残るためには無視できないトピックの1つです。
省人化を進めるためには最新のマテハン機器の導入を検討する必要があり、自社の倉庫にマッチする機器を見つけるためにはメーカーとの綿密な話し合いが欠かせません。
