工場の荷物や製品を各階へ搬送したいというニーズは非常に多い一方で、どのような設備を導入するべきか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。実は荷物量がそれほど多くない場合、ダムウェーターを導入するのがおすすめです。
この記事では、工場にダムウェーターを導入するのが最適な理由を徹底解説します。導入メリットからおすすめメーカーまで紹介しますので、各階搬送可能な設備の導入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
ダムウェーターとは
ダムウェーターとは、別名「小荷物専用昇降機」とも呼ばれている荷物専用の小型エレベーターのことを指します。建築基準法でも規格が定められており、カゴの大きさが「床面積1m2以下かつ高さ1.2m以下」とされています。
このダムウェーターは通常のエレベーターと比較すると、荷物専用となるので安全装置などの規制が大幅に緩和されている特徴があります。そのため、エレベーターよりも導入コストが安いという一面があります。
なお、ダムウェーターは大きくユニットタイプ、テーブルタイプ、フロアタイプの3タイプが存在します。なお、ユニットタイプは昇降機と昇降路が一体になっているタイプになります。
一方、テーブルタイプとは、腰の高さに出し入れ口が設置されているタイプのダムウェーターです。通常このタイプは、飲食店の配膳やオフィスなどで軽量物を搬送するのに導入されている傾向にあります。
最後はフロアタイプになりますが、このタイプは出し入れ口が床面になるので、台車ごと荷物を運搬することができます。そのため、物流倉庫や製造工場など、比較的まとまった荷物を運搬したいケースに向いているタイプといえるでしょう。
ダムウェーターが工場に最適な理由
荷物を各階に搬送する設備にはさまざまな種類が存在しますが、ダムウェーターが最適なケースも非常に多いです。そのため、搬送設備を選定する際には、ダムウェーターの特徴も理解しておくことが重要といえるでしょう。
そこでここからは、ダムウェーターが工場に最適な理由として、その特徴を詳しく解説します。
スペース効率が良い
ダムウェーターが工場に最適な理由のひとつに、スペース効率が良いという点が挙げられます。工場の既存スペースは限られているケースが非常に多いですが、昇降機などの設備を設置する際には相応のスペースは確保しなければなりません。
この点、ダムウェーターは非常にコンパクトな設置面積となっており、限られた場所にも設置することができます。そのため、一般的なエレベーターとは違い、工場内のレイアウトの自由度が高い一面があります。
この必要最小限の設置面積で済ますことができる点は、ダムウェーターの大きな特徴といえるでしょう。このような観点からも、工場に昇降設備を設置する際には、ダムウェーターが最適といえるわけです。
安全性が向上する
工場内で荷物を各フロアに運ぶ際には、スタッフの安全性を確保しなければなりません。この点、ダムウェーターは人が介することなく荷物を運ぶことができるので、非常に安全な環境を構築できます。
一般的な人荷用のエレベーターとは違い、ダムウェーターは人が乗って運搬することはできません。昇降路内に人が入ることはできませんので、人荷用エレベーターよりも安全に運用できるというわけです。
また、人が手作業で荷物を運搬する場合、人為的ミスの発生でスタッフの怪我や商品の破損といったトラブルが発生する可能性があります。一方、ダムウェーターでフロア搬送することで、安全かつ確実に荷物を運ぶことができる特徴もあります。
ダムウェーターを工場に導入するメリット
工場にダムウェーターを導入することで、以下のようなメリットがあります。
・生産性が向上する
・労働環境を改善できる
・コスト削減効果が見込める
ここからは、ダムウェーターの導入メリットを紹介しますので、事前に確認してみましょう。
生産性が向上する
工場にダムウェーターを導入することによるメリットとして、業務効率の改善や生産性の向上が挙げられます。例えば、人の手作業で荷物を上層階へ運搬する場合、相応の労働力が必要になります。
しかし、ダムウェーターを導入することで効率よく上層階へ搬送できるため、従来よりも大幅に生産性を向上できるというわけです。特に製造工場などでは小さな部品を運ぶケースも非常に多いため、ダムウェーターで搬送プロセスを効率化することで生産性向上するメリットがあります。
労働環境を改善できる
ダムウェーターを工場に導入することで、労働環境を改善できるメリットがあります。工場における労働環境の問題というのは、作業者の生産性や離職率などにも大きく影響する要素の一つです。
例えば、工場内のスタッフが荷物の搬送を行う場合、重量物になるほど負担は大きくなります。スタッフの怪我のリスクも増えてしまうため、物理的な負担を減らす施策としてダムウェーターの導入が有効になってきます。
ダムウェーターは荷物専用のエレベーターで、効率よく荷物を上下階に搬送することができます。300kg程度の重量物も問題なく搬送することができるので、労働環境は大きく改善するでしょう。
コスト削減効果が見込める
ダムウェーターを導入した場合のメリットとして、コスト削減効果が見込めるという点が挙げられます。工場運営においてコスト削減は重要な課題のひとつですが、ダムウェーターで省人化を実現させることでさまざまなコストを削減できます。
例えば、従来人出が多く必要だった部品等の搬送工程も、ダムウェーターを導入することで省人化できるので人件費を削減できます。この人件費削減の効果は、長期的に見ても工場のコスト削減に大きく寄与するでしょう。
また、必要となる人員が削減できることで、それに伴ってスタッフの教育コストも削減可能です。新規従業員の採用や研修コストも削減できるので、幅広くコスト削減効果が見込めるということです。
ダムウェーターを工場に導入する場合の注意点
ダムウェーターを工場に導入する場合、多くはフロアタイプを選択するケースが多いでしょう。しかし、このフロアタイプを導入する場合、いくつかの点に注意しなければなりません。
まず、建築基準法において、ダムウェーター(小荷物専用昇降機)のフロアタイプは昇降機に分類されています。そのため、導入に際して建築確認申請を行う必要が出てきます。確認申請をせずに設置した場合、行政指導を受ける可能性もあるので注意してください。
また、建築基準法では昇降機を設置した場合、定期検査を実施する必要があります。半年から一年ごとに検査を行い、検査結果を特定行政庁に報告しなければならないため、定期検査報告があることを覚えておきましょう。
工場の導入実績が多いダムウェーターのおすすめメーカー
ひとくちにダムウェーターといっても、販売しているメーカーは無数に存在します。そのため、どのメーカーを導入すればいいのか分からないという方も多いのではないでしょうか。
そこでここからは、工場の導入実績が多く信頼性の高いおすすめメーカーについて紹介します。
鈴木製機株式会社
鈴木製機株式会社は、リフターや昇降機を製造販売しているメーカーです。垂直搬送機や小荷物専用昇降機のフロアタイプも取り扱っており、物流倉庫や製造工場に多くの導入実績があります。
鈴木製機のダムウェーターは昇降路一体型のユニット式のため、建屋側の壁面施工が必要ありません。床の開口間口さえ確保できれば設置できてしまうので、従来の設備よりも設置費用を抑えることができます。
導入仕様が決定してから最短で1ヶ月、工事開始からわずか3日で導入できてしまうので、工期を抑えて導入したい方にもおすすめのメーカーです。
クマリフト株式会社
クマリフト株式会社は、ダムウェーターをはじめとする各種昇降機器を製造販売しているメーカーです。ダムウェーターの製品ラインナップも非常に豊富で、テーブルタイプやフロアタイプ、ユニットタイプまで販売されています。
安全機能や便利機能も多く搭載されているほか、使用環境に応じて装備をカスタマイズすることもできます。
まとめ
ダムウェーターは荷物専用のエレベーターなので、工場にも多く導入されています。エレベーターよりも費用を抑えて導入できるため、コストを抑えたい場合におすすめの昇降機です。
なお、ダムウェーターを選定する際には、導入実績の多いメーカーを選ぶことが重要です。使用環境に応じて適した提案をしてくれる、設置件数も多く経験豊富なメーカーを選別しましょう。
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